秘密儀軌ツアー 一ー26ーc9

 九巡目の三
 niftyココログ からのつづき

 ナポレオンの中に巣くっている魔物に対処するには、セット女のアメリアとの調整が不可欠だった。魔物がたけり狂ってナポレオンが皆の手に負えなくなるとき、アメリアに対応させると、中の魔物同士でのせめぎ合いが起こることになり、それが自分ではないことの自覚がお互いに出てくるらしく、その調整をすることで事が治まるからであった。
 そういうことがしょっちゅう繰り返されていたが、そうした経験が重なるほど二人の関係は深まっていって、ますます結婚話に花が咲いていくのだった。特に幸せな家庭生活など経験したことがなかったアメリアにそのことが激しくて、式に至るまでのいろいろとか、新居の問題とか、先の生活のこととか、家族や先祖、持参金とか式の費用など、普通の結婚式前同様のいろいろが話し合われるのだった。
 ただ問題は、ナポレオンの親族がコルシカ島にあることはあっても、彼がフランスを拠点にした偉大な革命家であり、その失敗のツケが多いため、常に周辺からの怨訴に追われていて、どうしてもこちらが保護観察役をやらされることと、アメリアの背後のマフィアの調整をしなければならないことだった。何せ彼らの遠祖はローマ帝国法王庁にまでかかわりがあったからである。

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